輪王寺は奈良時代に勝道上人が開基し、江戸時代には皇族が門主を勤めました。東日本では最も大きな木造建築物で、天台密教形式のお堂です。
堂塔は40棟以上もおよび、現在も天台宗三本山のひとつとして信仰を集めています。
国の重要文化財に指定されている三仏堂には、台座より光景まで8メートル以上もある3体の仏像「日光三社権現本地仏」が祀られており、これらは「父、母、子」や「男体山、女峰山、太郎山」などを象徴しているといわれています。
輪王寺は天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原征伐の際、北条氏側に加担したかどで寺領を没収され、一時衰退しました。しかし、近世に入って、天台宗の高僧・天海が貫主(住職)となってから復興が進み元和3年(1617年)には徳川家康の霊を神として祀る東照宮が設けられたようです(現存の東照宮社殿はこの時のものではなく、20年ほど後に建て替えられたもの)。承応2年(1653年)には3代将軍徳川家光の霊廟である大猷院(たいゆういん)霊廟が設けられました。東照宮と異なり仏寺式の建築群である大猷院霊廟は近代以降、輪王寺の所有となっている。
輪王寺「総本堂」
輪王寺「三仏堂」